モーゼの十戒

最近のニュースをざっと見ると、「ガザの紛争」「ウクライナの戦争」「不倫騒動」

「闇バイトの強盗」「後を絶たないオレオレ詐欺」だ。まあ心温まる話題もないわけででもないが、悪事千里を走るとでも言おうか、ニュースの主流は犯罪や戦争だ。

 旧約聖書に「モーゼの十戒」が出て来る。これはユルブリンナー主演の映画もあったので、特に宗教や歴史に興味の無い人でも、年配の人なら御存知だろう。

 「殺してはならない」

ウクライナの戦争やガザの紛争で殺された人々は数知れない。特にガザはこの戒律発祥の地とも言える地域だ。しかも実に今現在殺戮が行われており、その終わりが見えていない。遠い外国の話ではなく、この日本でも、強盗はものを盗るだけでなく平気で殺人を犯している。相手は誰でもよかったと語る若い殺人犯。事情はともかく子が親を殺し親が子を殺している例も少なくない。

「姦淫してはならない」

今は姦淫と言わず「不倫」と言うようだが週刊誌の不倫記事のたねは尽きない。芸能界のゴシップは今始まった事ではないが、不倫の大衆化とでも言おうか、これはマスコミに騒がれないだけに大衆の不倫はその実態が公表されないだけにさらに恐ろしい。

「盗んではならない」

浜の真砂は尽きるとも世に盗人の種は尽きまじ。石川五右衛門さんのおっしゃるとおり。現在は単純にものを盗むだけでなく、携帯や、地方自治体の個人情報が盗難にあうなど様々だ。

 こうしてみると今の人間社会は、紀元前のモーゼの時代と少しも変わらない問題、悩みを抱えているようだ。確かに戦争とか犯罪は広く急速に報道されて人々の注目を浴びやすい一面はある。地球全体から見れば戦争が行われているのは一部の地域であり、

殺人や不倫も社会の一部の現象ではある。日本も幸い今のところ平和に恵まれている。

問題は日本が戦場となる可能性が皆無とは言えないし、自分が何時強盗に襲われるか予測できないことだ。人間の根源的脆さ、弱さをもう一度見極める時期なのかも知れない。